スタンフォード大学の学生と立教大学生が、被災地の魅力をまとめたコンテンツを作成し、発信
2017/11/09
RIKKYO GLOBAL
OVERVIEW
英語で実施される正課科目「陸前高田プロジェクト」。受講学生らは「陸前高田の魅力を取りまとめてコンテンツを作成し、発信する」という課題に取り組みました。
現地研修に取り組む和田さん(写真左)
「陸前高田プロジェクト」は、東日本大震災の被災地である岩手県陸前高田市でフィールドワーク(4泊5日)を行い、同市の現状や課題を共有した上で、魅力を発信するコンテンツを作成するという課題に取り組む課題基盤型学習(PBL:Project-based Learning)プログラムです。2017年度は、11人の立教大学生に加え、2015年度から継続して共同参加しているスタンフォード大学の学生7人が参加。「陸前高田の魅力を取りまとめてコンテンツを作成し、発信する」という課題に取り組みました。
9月7日(木)~11日(月)に行った現地研修では、両大学混合メンバーの3チームで作成した成果物を陸前高田市長や地域の皆さんに報告。9月12日(火)には立教大学で行われた成果報告会で最終報告がなされました。
今回は、立教大学の受講生 和田光里さん(法学部政治学科2年次)にお話を伺いました。
9月7日(木)~11日(月)に行った現地研修では、両大学混合メンバーの3チームで作成した成果物を陸前高田市長や地域の皆さんに報告。9月12日(火)には立教大学で行われた成果報告会で最終報告がなされました。
今回は、立教大学の受講生 和田光里さん(法学部政治学科2年次)にお話を伺いました。
本プログラムへ参加したきっかけを教えてください。
陸前高田プロジェクトを知ったのは1年次のときでした。私は被災地に行ったことがなく、この目で復興の様子を見てみたいという思いはあったものの、他の海外ワークキャンプへの参加を決めていたためその年は参加を見送りました。しかしそのワークキャンプで他のアジアの国の参加者から「日本は大きな震災があったけど、いまはどうやって暮らしているの?」という質問をされ、私自身も、ネットやテレビの情報以外何も被災地の現状を知らないのだと痛感しました。そのときから、自分の目で見て肌で感じたい、被災地で暮らす人々と会って話しをしたいという思いが強くなり、今回はその思いを常に持ちながら活動に参加しました。
活動の様子を教えてください。
今回のプロジェクトの大きな目標は、「観光地としての陸前高田を世界中の人に発信する」ということ。発信手段は、ビデオ、オーディオ、プリントの3つで、それぞれグループに分かれて活動しました。陸前高田について調べたり、陸前高田の復興に関わっている方々のお話を伺ったりする事前研修を終え、陸前高田へ。現地では、カフェやレストラン、ショッピングモ-ルを訪れて、そこで働いている人や生活している人にインタビューをし、それぞれのグループで発信できる形にしていきました。
陸前高田に長く住んでいる人、震災前に移住してきていまも住み続けている人、震災後、陸前高田に帰ってきた人など、さまざまな居住歴の方にお会いした中で印象的だったのが、「出身地より生活している時間は短いのに、ここのほうがふるさとのように感じる」という言葉。陸前高田が人と人のつながりの深いまちであることを強く感じました。
陸前高田に長く住んでいる人、震災前に移住してきていまも住み続けている人、震災後、陸前高田に帰ってきた人など、さまざまな居住歴の方にお会いした中で印象的だったのが、「出身地より生活している時間は短いのに、ここのほうがふるさとのように感じる」という言葉。陸前高田が人と人のつながりの深いまちであることを強く感じました。
どのようなことを感じましたか。
陸前高田の皆さんからは「震災を通じて外からの意見を積極的に受け入れるようになった」というお話を聞かせてもらいました。現地で過ごした5日間、お会いしたどの方も私たちを温かく受け入れてくださいました。私は、その温かさこそ陸前高田の大きな魅力なのではないかと思います。海も山も川もあって、自然が豊かで食べ物が美味しい、というだけではなく、人と人とのつながりを大切にし、陸前高田をより良くしたいという強い気持ちが、陸前高田の復興の一番のエネルギーになっていると実感しました。
「人と人のつながりを大切にする」ということは、普段の生活の中で失いがちな感覚でした。けれど、いつも感謝の気持ちを持って生きることが、周りの人との関係やまち全体に大きく影響するということを陸前高田の皆さんが教えてくれました。また、陸前高田の人々が自ら行動を起こして復興を推し進めていること、しかし、以前の暮らしを取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうだということを自分の目で見て知ることができました。陸前高田の魅力を多くの人に知ってもらい、訪れる人が増え、陸前高田がより活気あるまちになるよう、自分の経験から得た知識や感じたことを伝えていきたいです。
陸前高田グローバルキャンパス モンティホールにて。(卒業生の河野和義さん(八木澤商店会長)と)
※本プログラムは「Rikkyo Global 24」の取り組みの一つとして、留学生を含む立教大学生が、被災地の現状を広く知り、復興における課題の共有を通じて陸前高田市の復興支援に寄与していくことを目的に、2013年度からパイロットプログラムとしてスタートしました。本プログラムの趣旨に賛同したスタンフォード大学が、学生の派遣を希望。2015年度からはスタンフォード大学内にあるNPO団体VIA(Volunteers in Asia)が仲介役となり、毎年学生が参加しています。
※完成した作品と活動報告はグローバル教育センターのページで公開しています。
※完成した作品と活動報告はグローバル教育センターのページで公開しています。
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